【プラレール研究②】海外プラレールの歴史 中国、韓国編

前回に引き続き、今回はアジア(中国、韓国)での海外プラレールについて紹介していきます

今回からは国ごとに解説していきますf:id:d5186:20240318161017j:image

 

中国

アジアで最初にプラレールが輸出されたのは中華人民共和国です

90年代中盤、中国の沿岸部、上海付近にて展開された陪樂兒 火車世界シリーズがアジアにおける記念すべき最初の輸出となりました

火車世界シリーズの特徴はなんといってもその流用と塗装にあります

車両は当時でも10年近く前に廃盤となったビスタカー、レッドアロー、キハ181系が使用され、セット品の情景もこれまた相当前に廃盤になっていた地下鉄の駅が使われました

とはいえ、トミーはこの後に旧型客車を20年ぶりに金型を引っ張り出して生産したりたかがトーマスの1セットのために四半世紀以上前に海外限定で売られていたレールを使ったりしているのでここは驚くところではありません

問題なのは単品の塗装です

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▲単品の火車世界。はっきり言って禍々しい(プラレール資料館様より)

非常に目に悪い塗装に変えられています

この派手でパチモン感強めな塗装はさすがに中国人にも受けなかったのか、98年には早々に販売終了となりレッドアローはこの後二度と復活することはなくキハ181ビスタカーの金型はプラレール博限定品生産のためにタイに送られたようです

 

その後、中国大陸に再びプラレールが上陸するのは2010年のこと、現地車両であるCRH2和諧号が製品化され販売されました


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これは同年のプラレール博でも販売されたため、海外プラレールの中では入手難易度は低めです

和諧号以来現地車両は発売されていませんが、現在でもプラレールの販売は続けられており「プラレール」の部分が中国語に変更された専用パッケージも確認されています

 

韓国

日本のお隣大韓民国でもプラレールが発売されています

しかし、中国や欧米とは違い現在でも歴史の全容の多くが謎に包まれています

最初に輸出されたと思われるのは95~98年頃のこと、CMがYouTube上にアップロードされており、旧ブロック橋脚が使用されていることからこの年代だと推測できますが情報がCMのみであり現物が一切確認されていないプラレール屈指の謎シリーズです

ロゴにトーマスが書かれていることからトーマスシリーズ主体で脇役として300系などが発売されていた考えられます

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またCMの最後でヨンシロン?という謎の韓国企業が登場しており、おそらくトミーはここと提携して韓国で販売していたと思われますが、現物が発見されないため謎のままとなっています


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この提携による販売がいつまで続いていたかは不明ですが提携終了後もトミーによって販売は続けられていたと考えられ箱の商品名部分にハングル版のシールを貼り付けた100系が確認されています


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2005~2010年の間には初の韓国限定プラレール

ドラえもん列車」が発売されました

この車両自体はタイでも発売されましたが、パッケージ、機関車に書かれている文字が韓国語となっており差別化がされています

また日本で発売された旧製品とは違い、機関車前頭部のドラえもんが2005年のリニューアル後の絵柄になっているのも特徴です

 

2015年のロットでは商品名部分をハングルで印刷した完全なる現地版パッケージが作られ、韓国のプラレールはさらに躍進を続けました...が、日本製品だとアピールした方がいいと考えたのかどうかはわかりませんが次のロットでは一部を覗き日本語に戻され、現在はロゴのプラレールの部分は韓国語、商品名は英語か全て韓国語の2種類が使われているようです


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そして2018年、待望の現地車両である100000系KTXが発売され、ようやく日本のプラレーラーに韓国でもプラレールが発売されていると認知され始めました

現地プラレーラーがいないため情報が少ないですが現在も展開されていると思われ今後に期待の国です

 

今回はここまでです

次回は台湾、香港、タイについて解説していきます