【プラレール研究④】海外プラレールの歴史 韓国編 改

韓国編は前にやったやん!とお思いの方も居ますでしょうが新しい発見が多くあったので改訂版です

発見の影響でアドレナリンドバドバ状態で書いてるんで支離滅裂になる可能性があります。


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韓国にプラレールが初めて輸出されたのは1992年頃のこと。韓国の会社young toy社より発売されました。

この商品どうやらバンダイから輸出されたおもちゃとまとめてトーマスシリーズとして売り出されていたようで非常にややこしくなっています。

現物についてはやはり発見出来ませんでしたが、バンダイから輸出されたトーマスについては発見できました。その姿がこちらです。
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箱は日本国内パッケージですが、young toy社のロゴと韓国語の説明が書かれたシールが貼られており、同シリーズだったプラレールも同じように国内箱にシールが貼られているのではないかと推測できます。

このシリーズは1995年に展開を終了したようで、わずか3年という発売期間は海外プラレールでもブッチギリの短さです。

この後についてはまったく資料が出てこず、恐らく販売されていなかったと思われます。

次に韓国にプラレールがやってきたのは2003年か2004年のこと。

そう、みんな大好きTOMICA WORLDです。


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左上に韓国語の説明が書かれたシールが貼られていますが間違いなく欧州版の流用です。

しかし、TOMICA WORLDはこの年を持って販売終了。トーマス商品のみが残ったことによりトーマスシリーズへと変更、それに伴い韓国版でもパッケージが変わりました。

そこからしばらくは何事もなく安泰だったと思われます。しかし2008年、残ったトーマスシリーズも吹き飛び、トラックマスターへと転換。欧州と箱を共通にしていた韓国版も巻き添えを食らいました。

ある1枚の写真からそこにあったゴタゴタを推察することができます。


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これは2011年に金浦空港併設のモールにて撮られたプラレール売り場の写真。見ての通り3年前に生産終了したはずのトーマスシリーズ箱が大量に残っています。

売れ残りでは?と思う方もいるかもしれませんがこれが撮られたショッピングモールは撮影の数週間前に開業したばかりで余所から在庫を持ってこない限りあり得ませんし、そんな別の場所でも売れてない物をわざわざ韓国最大級の空港で売るのも意味がわかりません。

ここから導きだされるのはただ一つ、トラックマスター転換時、まだ大量に在庫が残っており本来欧州に輸出する予定だったものを急遽、韓国送りにしたという説です。

そして在庫がなくなった物から順に現行トーマス箱へと転換され、姿を消したと考えられます。

これはあくまで私の仮説ですが、他に理由も思い浮かびませんので近いと勝手に思ってます。


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またこの時期は遅くとも2012年までには国内品のS品番も輸出、2015年には韓国語版も作られ韓国プラレールにおいてまさに大波乱の数年でした

 

しかしそれ以降はシリーズ全体を巻き込む大規模な変革もなく、近年の韓国プラレールはDVDの発売や現地車両を製品化するなどノリにノっています。

今年でTOMYの進出から20年、young toy社時代から数えると32年が経ち海外プラレールの中でも特に歴史の古い部類です。

この長い歴史を崩すことなくこれからも韓国の子供たちに愛されてほしいものです。

 

それでは

 

 

 

 

 

 

【イベント日誌】石巻公民館プラレールイベント2023

金欠マンのせいで各務ヶ原に行けず腹立つので過去イベを書いてきます

 

2023年7月、いつもの公民館でイベントをすると赤紙が届き翌8月下旬、設営のため一路豊橋へと向かいました。とは言っても隣の市へ行くだけですが。


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浜松駅からみんな大好き211系で豊橋駅まで、そこから先はバスにて目的地へと向かいます。


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会場の石巻公民館。他のメンバーは既に到着しており早速設営が始まりました。


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机を運んで並べ、土台は完成。2階から持ってこなければならなかったので疲れました。

続いてレイアウトを敷いていきます。ここら辺ほぼ写真を撮ってませんでした。


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デーテンくんも設営に従事。操縦車の使い方を間違えてる気がしますが似合っているのでセーフです。


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完成品がこちら。少々寂しい気もしますが、地域の子供向けのイベントとして開くには十分すぎるでしょう。

準備が終わりこの日は帰宅して寝ました。

 

開催1日目

 

10時からのスタートでしたが結構な人が入ってきたためスタッフは対応に終われました。この辺も写真はほぼ撮ってないです。


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昼食にオムライスを食べて午後へ。この時間になると人が少なくなり段々とスタッフが壊れ始めます。


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ウユニ塩湖の列車の墓場もびっくりの廃機関車の群れ。国鉄清算事業団かな?


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続いては車庫に集まる電気釜。ボンネットもいるのはご愛嬌。


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果ては某氏による機関庫が登場。これ子供洗脳させようとしてるでしょ。

 

子供向けという外板が剥がれ、スタッフの本性が露呈し始めたところで1日目は終了

 

2日目

やりたい放題になりました。

 


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新旧並び。鉄オタは興奮ものでしょうがお子さまにはちんぷんかんぷんです。可哀想に


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ここで超骨董プラレールが登場。私も実物を見たのは初めてだったので大興奮でした。しかし当然ながら子供は(ry


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いよいよ鉄オタにすら通じるか怪しい謎列車が登場。私ですらついていけなくなりそうでした。


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最後に名鉄車を並べて撤収。楽しい3日間でした。

 

 

 

 

 

【プラレール研究③】TOMICA WORLD箱の差違について

どうも

なんとプラレール資料館のリンク集に私のブログが載りました。本当に嬉しいことです。

それはそれとして今回はTOMICA WORLD箱の差違についてです

6年程度と短い発売期間だったTOMICA WORLDですが、国内のプラレールでも一斉リニューアルなどの大波乱が起きた2003年のトミーロゴ変更に巻き込まれ以前と以後で箱の所々に差違が出来ました。では早速比べていきましょう


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左がトミーロゴ変更前(99年ロット)、右がトミーロゴ変更後(02年ロット)です。本当なら同じ車両で比べるべきでしょうがそんな金も運もないのです


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最初に目につくのはここでしょう

箱写真が拡大され、新トミーロゴが追加されたされたため、TOMICA WORLDロゴが縮小されています。

また、TOMICA WORLDロゴ内に組み込まれていた旧トミーロゴが削除されています


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続いては正面中央

旧トミーロゴ版では黄色で商品名のみが書かれていたのに対し、新トミーロゴ版では商品番号が追加され、商品名が白文字に変更されました。

比べると商品番号を追加するために箱写真を若干上に移動させたのがよくわかりますね


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正面下部

対象年齢と電池表示が下部に移動し、説明と商品番号は削除されました


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箱側面上部

こちらも新トミーロゴ追加に伴いTOMICA WORLDロゴが縮小しています。また車両写真も左に移動し、縦方向が縮小されました


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側面下部

新トミーロゴ版では側面にも商品名が追加され、隅に書かれている商品番号が拡大されました。やはり分かりづらかったんでしょうね


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最後に箱裏面


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まずイメージ写真が更新されました。恐らくTGVやヴァージントレインといった現地車両製品化に伴うものだと思われます。

またイメージ写真を目立たせるため各言語の説明が大分小さくなりました。


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裏面中央

こちらのトミーロゴも更新されています。またヴァージントレインの説明も追加されました。


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裏面下部

トミー現地法人の電話番号とFAXが下部に移動し、大分見やすくなりました。逆に旧トミーロゴ版ではどこについていたかと言うと...


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ここ

めっちゃちっちゃくて分かりづらいです。こんなん苦情が来ない方がおかしいですね。

 

 

 

これにて差違の解説を終わります。そろそろ海外プラレールのストックが尽きてきたのでヤバめです。

それでは

 

 

 



 

 

【プラレール紹介⑤】VIRGIN TRAIN

投稿サボって大阪行ったりしてました。すんません

先日某大御所プラレーラーの方から珍しい品を頂いたので紹介していきます


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VIRGIN TRAIN 

いつも通りプラレールではなくTOMICA WORLDです。

この商品は1997年~2003年?に発売されていたイギリスの車両をモデルとしたプラレールです。とは言ってもアーバンライナー金型の使いまわしですが。

実車は主にウエスト•コースト本線の中長距離列車として運用されていましたが、会社が同路線での営業権を失ってしまったため2019年12月に運行を終了しています。


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箱ですが前に紹介したTOMY EXPRESSであらかた説明したので今回は省きます。とは言え新TOMYロゴになったこの箱は丸文字TOMY箱との差違が多いので比較記事をまた作ります。


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車両本体

アーバン金型の使いまわしですが、塗装に物凄く凝っており流用の印象は薄めです

台車は黒色で凝った塗装にマッチしておりリアルな雰囲気を強めています


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前頭部から紹介したいところですが言いたいことがあるので後回し。先頭車側面からです。

先ほども言った通り塗装が凝られています。ドアとロゴはタンポ印刷ですが、それら以外は全て塗装です。特徴的なドア配置も再現されており素晴らしいの一言です。

特に屋根との境目のオレンジのラインは実車でも画質が粗いと見えないほど細く、いつものトミーなら省略しそうなものですがしっかり再現しています。海外に力を入れていたのがよくわかりますね。

屋根のパンタグラフはご愛嬌


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台車

台枠と車輪両方とも黒色であり非常にシックな雰囲気です。

ちなみに黒車輪を採用したプラレールは長らくこれ一つで破損した場合交換が不可能に近いという欠点がありました。

しかしつい最近箱根登山鉄道モハ2型が黒車輪にリニューアルされて再登場したので交換が可能になりました。まあこいつも限定品なんでそこそこの入手難易度なんですけど。


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中間車

余り言うことがないです。強いて言うならドア、窓配置を流用せず実車と同様になっています。

 


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そしてこの商品の深淵がある前頭部

この前照灯部分のみ唯一シールとなっています。

そしてこの前頭形状からこの車両のモデルがHSTだと勘違いされる人がいます...

しかしすぐ後ろの側面に82100と書かれているためこいつの本当のモデルはマーク3機関車なのです


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そしてこれが実車のマーク3機関車(VIRGINTRAIN塗装)

⚠️実車には全く似ていません!⚠️

あんな凝った塗装をするぐらいだったら造形を頑張ればよかったのに...

トミーの考えることは本当にわかりませんね

 

それでは

 

 

 

 

 

 

 

【プラレール研究②】海外プラレールの歴史 中国、韓国編

前回に引き続き、今回はアジア(中国、韓国)での海外プラレールについて紹介していきます

今回からは国ごとに解説していきますf:id:d5186:20240318161017j:image

 

中国

アジアで最初にプラレールが輸出されたのは中華人民共和国です

90年代中盤、中国の沿岸部、上海付近にて展開された陪樂兒 火車世界シリーズがアジアにおける記念すべき最初の輸出となりました

火車世界シリーズの特徴はなんといってもその流用と塗装にあります

車両は当時でも10年近く前に廃盤となったビスタカー、レッドアロー、キハ181系が使用され、セット品の情景もこれまた相当前に廃盤になっていた地下鉄の駅が使われました

とはいえ、トミーはこの後に旧型客車を20年ぶりに金型を引っ張り出して生産したりたかがトーマスの1セットのために四半世紀以上前に海外限定で売られていたレールを使ったりしているのでここは驚くところではありません

問題なのは単品の塗装です

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▲単品の火車世界。はっきり言って禍々しい(プラレール資料館様より)

非常に目に悪い塗装に変えられています

この派手でパチモン感強めな塗装はさすがに中国人にも受けなかったのか、98年には早々に販売終了となりレッドアローはこの後二度と復活することはなくキハ181ビスタカーの金型はプラレール博限定品生産のためにタイに送られたようです

 

その後、中国大陸に再びプラレールが上陸するのは2010年のこと、現地車両であるCRH2和諧号が製品化され販売されました


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これは同年のプラレール博でも販売されたため、海外プラレールの中では入手難易度は低めです

和諧号以来現地車両は発売されていませんが、現在でもプラレールの販売は続けられており「プラレール」の部分が中国語に変更された専用パッケージも確認されています

 

韓国

日本のお隣大韓民国でもプラレールが発売されています

しかし、中国や欧米とは違い現在でも歴史の全容の多くが謎に包まれています

最初に輸出されたと思われるのは95~98年頃のこと、CMがYouTube上にアップロードされており、旧ブロック橋脚が使用されていることからこの年代だと推測できますが情報がCMのみであり現物が一切確認されていないプラレール屈指の謎シリーズです

ロゴにトーマスが書かれていることからトーマスシリーズ主体で脇役として300系などが発売されていた考えられます

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またCMの最後でヨンシロン?という謎の韓国企業が登場しており、おそらくトミーはここと提携して韓国で販売していたと思われますが、現物が発見されないため謎のままとなっています


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この提携による販売がいつまで続いていたかは不明ですが提携終了後もトミーによって販売は続けられていたと考えられ箱の商品名部分にハングル版のシールを貼り付けた100系が確認されています


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2005~2010年の間には初の韓国限定プラレール

ドラえもん列車」が発売されました

この車両自体はタイでも発売されましたが、パッケージ、機関車に書かれている文字が韓国語となっており差別化がされています

また日本で発売された旧製品とは違い、機関車前頭部のドラえもんが2005年のリニューアル後の絵柄になっているのも特徴です

 

2015年のロットでは商品名部分をハングルで印刷した完全なる現地版パッケージが作られ、韓国のプラレールはさらに躍進を続けました...が、日本製品だとアピールした方がいいと考えたのかどうかはわかりませんが次のロットでは一部を覗き日本語に戻され、現在はロゴのプラレールの部分は韓国語、商品名は英語か全て韓国語の2種類が使われているようです


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そして2018年、待望の現地車両である100000系KTXが発売され、ようやく日本のプラレーラーに韓国でもプラレールが発売されていると認知され始めました

現地プラレーラーがいないため情報が少ないですが現在も展開されていると思われ今後に期待の国です

 

今回はここまでです

次回は台湾、香港、タイについて解説していきます

【プラレール研究①】海外プラレールの歴史 欧米編

需要がないとは思いますが一部の人に刺さりそうなので海外プラレールの歴史について解説していきます

さすがに一度に全て解説するのは疲れるし文章も滅茶苦茶になる予感しかしないので、欧米編、アジア編の二部構成でいきます

今回は欧米編です

 

最初に海外にプラレールが輸出されたのは1964年、まだプラレールという名前が存在しなかった頃です

当時、トミーと提携していたChild Guidance Toysというブランドから、「Giant Double-O-Eight Runaway Train」という名前のセットの中に車体が水色で整形された電動超特急ひかり号が入っていました

 

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ちなみにレールは提携先で用意したようで長さや幅はまったく同じでしたが、ジョイント形状が違うためプラレールの線路と繋ぐことはできません

売れ行きがどうだったかは不明ですが、提携先で販売されていたこともありプラレール製品の輸出はこれ単発で終わってしまいました

 

ここら辺から時系列がよかわからなくなってきます

1970年代中盤、トミーは提携先に頼らず自社の名前で輸出しようと考えたのか、D51の森林鉄道セットと遊園地シリーズ3種類をPlayrailの名前で売り出しました

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しかし、売れ行きは悪かったのか割と早く消え、トミーの心は折れたのかしばらく提携による輸出が続くことになります

 

次にトミーが手を出したのは70年代後半のこと、ドイツはシュテルコ社と提携し、stelco junner expressの名でプラレールを輸出しました

輸出されたのはEF58、しかも単品火車世界を思い出す禍々しい色合いをしていました
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▲シュテルコ社のセット(プラレール資料館様より)

 

C12、タンク貨車、客車などもありましたが、こちらは線路と同じく現地にて生産されていました

ちなみにシュテルコ社は79年前半には倒産してるのですが、何故か79年後半になってから生産された個体が見つかっているようです

 

シュテルコ社がぶっとび、自動的に提携もなくなってしまい、トミーは新しい提携先を見つけることにした...のかどうかはわかりませんが、この後提携を組んだのが大英帝国Palitoy社です

Palitoy 社には再びC12の森林鉄道セット、貨物セット、遊園地シリーズセットが出されましたf:id:d5186:20240316010731j:image
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▲Palitoy社に輸出されたプラレールのうち、資料館に収蔵されている2種

こちらも売れ行きや評判はわかりませんが、前述のplayrailよりネットオークションでの出物が非常に少ないのでおそらく悪かったと推測できます

 

次はなんとスペインのGEYPER社と提携し、playrailを発売しました

後にも先にもスペインにプラレールの輸出が確認されたのはこれのみです

確認されているのは名鉄パノラマカー3種とD512種

情報が少ない上に60年代のゆうえんち金型が入っていたりオリジナル客車があったり全セットにシュッポー笛がついていたりとツッコミどころ満載なのでプラレール資料館様のページの方で確認してください

僕はスペインのセットについてもう調べたくないです

 

80年代後半、トラウマから立ち直ったのかトミーは次なる直輸出にでます

それがTOMY TRAINSTOMY EXPRESSです

前者はイギリスやアメリカに、後者はドイツに輸出されていました

 

まずTOMY EXPRESSから解説しましょう

この商品は今までとは違い、ほぼ国内品と同様のものが使われました


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車両は0系、100系、200系、スーパーひかり、C12、フラノエクスプレス(単品)、D51(単品)と国内品とほぼ同様

単品情景のタグは国内品を裏返して使っていたほど

違うところと言えば、レールが濃い青色なこと、車両の側面にTOMY EXPRESSと記入されていることぐらいです

割とすぐに消えたようで、ネットにもほぼ出回りませんが、単品の発売はこの後のtomica worldへの重要な布石となりました

 

TOMY TRAINSは初期は国内のプラレールよりもさらに幼児向けに開発されたと思われ、車両は寸胴になり、連結器は磁石のタイプとなりました

最初こそ車両がモデルがないSLと人形を乗せられる客車を販売していたものの、次第に考えが変わってきたのかHSTを製品化したり、アメリカ限定でアメロコを発売したり、挙げ句の果てにはユーロシャトルユーロトンネルのセットという中々マニアックな品物を出しやがりましたf:id:d5186:20240316024318j:image

しかし、これが功を奏したのか長期間発売され、外国の子供の心を掴むノウハウはこの無駄なマニアックさとともにtomica worldへ受け継がれました

 


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TOMICA WORLD  

ついに出ましたtomica world

このシリーズは知っているという方もいるのではないでしょうか

Tomica worldはイギリス、フランスなどの西欧州全域とアメリカにて発売されました

その名の通りトミカ(モータートミカ)を主体としており、プラレールトミカの中の鉄道おもちゃという位置付けです

しかし、そのような位置付けだからと言ってこれまでの海外プラレールのように手を抜くことはなく300Xや485系など日本車両も売られましたが、TGVやヴァージントレイン、ユーロスターなどの現地車両が次々と産み出されました

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▲発売された数々の現地車両(プラレール資料館様より)

単品や情景も幅広く展開され、トーマスシリーズも販売されるなど欧州プラレールはまさに最盛期を迎えました

2003年のリニューアルの際にはこちらでも行われ、400系など人気だったと思われるもの以外の国内車両は一掃され、新たに欧州には銀TGVアメリカにはアムトラックが発売されましたf:id:d5186:20240316014758j:image
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▲2003年リニューアル時に発売された数々の車両

特に3つ目の青色のアムトラックは塗装の素晴らしさと幻と言っても差し支えないレア度から人気が高い

 

しかし、このリニューアルがあった一年後、突如この車両たちは姿を消し、トーマスシリーズのみが残ることになりました

そうしてトーマスのみが残った結果ブランド名も変えることになりました

 

それがThomas&Friendsです

トーマスシリーズのみになってもトミー技術陣の情熱が潰えることはありませんでした

瀬戸大橋のカラバリを発売し、国内品ではあり得ない巨大なセットを出すなど革新的な挑戦をし続け、ついには水蒸気によるスチームシステムを搭載したトーマスを作り上げました!f:id:d5186:20240316020106j:image

そう!スチームシステムは海外プラレールからの逆輸入だったのである!f:id:d5186:20240316020219j:image

しかし、そんな挑戦も無駄だったのか、2008年頃に現地プラレールの権利がタカラトミーから離れ、これも消えてしまいました

 

しかしタカラトミーは諦められなかったのか、トーマスの権利を売り渡した2008年、あるセットを販売しました

それがTOMY TRAINS SUPER DELUXE CITY RAILWAY SETですf:id:d5186:20240316021749j:image

20年ぶりにTOMY TRAINSの名前が復活したのも不思議なんですが、それよりヤバイのが凄そうなセット名と内容です

車両はアムトラックとこまちの2編成

ループ線や車庫などもあるクソデカレイアウトに情景も大量についています

家が広いアメリカならではのセットですね

しかし、タカラトミーは燃え尽きたのかこのシリーズはこのセットのみで終了してしまいました

 

ここまで長かった欧米輸出プラレールですが次が最後です

TOMICA HYPERCITY 

これもTOMICAを主体として2010年頃、アメリカ、イギリスで販売されました

このシリーズの大きな特徴はトミカタウンとのコラボを前面に押し出したこと、そしてハイパーガーディアンシリーズの輸出です

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▲私保有のHYPERCITY 85400

見ての通りセット名が存在せず番号のみで割り振られている

 

箱は欧米人の好きそうな黒と赤となり、セット内容も先ほどのアムトラックセットとまではいきませんが巨大なものが多くありました

単品販売やトイザらス限定品も存在しており、現在でも新しい種類が発見されるほどバリエーションも多かったようです

発売が近年というのもありますがネットオークションにも多く中古品が確認され売れ行きはそこそこだったと推測できます

しかし2013年頃には終了していたのが確認されており、シリーズ展開は終了してしまったと思われます

 

 

 

HYPERCITYの終了から10年間、欧米に専用プラレールは輸出されていません

もう二度と欧米にプラレールが売られる日は来ないのかもしれません

しかし、お忘れではないでしょうか?2008年、権利が渡った後のトーマスを

権利が渡ったトーマスはTrackmastarと名前を変えて再出発、徐々に範囲を拡大し、今ではトーマスおもちゃの一角を占めるにまでのしあがりました

今では線路は新規格となり、車両も姿が変わりトミー時代の名残は余り見受けられません

しかし、それでも1964年から続いてきた欧米輸出プラレールの子孫なのです

もしどこかでtrackmastarを見かける機会があれば、歴史の中に消えた欧米輸出プラレールのことも思い出してください

 

それでは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【プラレール紹介④】TOMICA WORLD TOMY-EXPRESS

今回もプラレール紹介の名前詐欺です

 


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TOMICA WORLD TOMY EXPRESS

車両の紹介の前にTOMICA WORLDについて

このシリーズは1990年代後半から2000年代前半に欧米へと輸出されていたもので、前々回のTOMICA HYPERCITYと同じくトミカの中の鉄道おもちゃという形でプラレールが輸出されていました

それと特筆するべきがトミカで、このシリーズでは通常のトミカは売られておらず、いわゆるモータートミカのみが売られているという珍しいシリーズでした

 

それでは本体の解説に戻りましょう


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縦向きが正しい方向という珍しい箱です

まあ日本でも大体縦向きに吊るされて売られているのでこっちの方が見やすくて良いとは思いますが

ちなみに箱、車両ともにTOMY EXPRESSとハイフンがついていませんが、海外サイトの説明では稀にハイフンがついていることがあります

統一しなさいよ


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箱内部の床も赤くなっており統一されているため見栄えがよいです


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裏面

怒涛の説明が書かれていますが、これは多言語が存在する欧州で販売するための措置であり、主要部分は6ヵ国語、細かな注意書きは12ヵ国語で書かれているため、実際に書かれている内容は少ないです

フックに吊るすための穴もありますが、この部分が国内品と違い、箱内に収納できないので結構めんどくさいです


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箱の開口部

思いっきりKAMOMEと書いてやがります

正体表したね

 


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車両

当然ながら三両編成

全車両にTOMY EXPRESSと書かれたシールが貼られています

そしてみんな大好きL特急の金型流用品

間違いなく同時期に日本で発売されていた「かもめエクスプレス」の赤色樹脂整形をそのまま流用してます

どんだけ流用するねん


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しかし前面はかもめと似ていながらも随分と印象が違います

なんと完全新規で作ったTomica worldロゴとライトシールです

Tomica worldロゴは国内にないので新規で作るのはわかりますが流用できるはずのライトシールを何故新規に作ったのか?トミーはどこにこだわっているのか?まったくわけがわかりませんね

とはいえこのライト少し不気味で個人的には好きなんですが

ちなみに1997~2003年の発売なので影薄いのにしっかりJNRロゴの差分が存在します

きっしょ


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台車

普通かと思いきやトミーマークがなかよしロゴです

2002年以前に製造されたL特急金型を持ってないんでわからないですけどこれおかしくないですかね...

 


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ここまでトミーの奇行とか結構ボロクソに書いてきましたが、実在車両を意味わからない塗装にするのが大好き侍なので個人的にはお気に入りの一台です

今度、同じTOMICA WORLDシリーズのヴァージントレインも届くので楽しみです

 

それでは